事例 その1: ジェネリック医薬品大手「日医工」に業務停止命令

要約: ジェネリック医薬品最大手の日医工が医薬品の適合試験において不正を行ったという事案です。

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どこで起こった?

富山県滑川市にある日医工の富山第一工場です。

どんな事件?

日医工は富山市にあるジェネリック医薬品最大手です。

2020年3月期の連結売上高は1901億円、売上2位の沢井製薬が1825億円です。

医薬品生産工程中の品質管理および製造過程において重大な問題がありました。

つまり医薬品の品質試験で、不適合となった製品について国が承認してない方法で再加工や再試験を行ない適合として出荷していました。

製薬業界においては、各社独自の製造ラインで単に薬を作ればいいわけではありません。

厚労省の監視のもと医薬品医療機器法に基づいた厳密な生産工程が求められています。そのため非常に高度な生産・品質管理技術、研究ナレッジおよび法的理解が必要です。

そのため参入障壁は非常に高いです。

どんなインパクトがあった?

不適合となった医薬品を自主回収とするとともにその結果2021年3月3日付で医薬品医療機器法に基づく業務停止命令が出されました

また、日医工の株価は25日、前日比5・59%減となる61円安の1030円に下落し、同日の東証1部の銘柄を比較した値下がり率ランキングで5位となりました。

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再発防止に向けて

富山県薬事審議会の専門部会が4月20日に開かれ、「製薬業界と行政双方の監視体制を強化するべき」などの意見が出されました

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コンプライアンスの観点では?

製薬企業は直接命に関わる薬を研究開発し、病院に安定供給しています。

そして、薬価改定*にも耐え非常に厳密な生産管理体制のもと安定供給に向けて日々努力しています。

富山県薬事審議会の専門部会によれば、今回の日医工の一件を製薬業界全体や行政の問題にすり替わっている点が気になりました。沢井製薬の意見が聞きたいところですね。

富山県は昔から「富山の薬売り」にあるように製薬産業が産業の一旦を担っているため、地域産業へのダメージを考えるとそのような発言も分からなくはないですが、まずは当社のコンプライアンス、ガバナンスの正常化を問いたいですね。

*薬価改定とは?

市場実勢価格を適時に薬価に反映して国民負担を抑制するため、2年に1度の薬価改定の間の年度(薬価改定年度)において、全ての医薬品卸から、大手事業者を含め調査対象を抽出し、全品目の薬価調査を実施することとし、その結果に基づき、薬価を改定しています。

いわゆる2年に1回の大規模な薬の値下げです。

さらに中間薬価改定**というワードもあります。

中間薬価改定とは

「市場実勢価格を適時に薬価に反映して国民負担を抑制するために、従前2年に1度であった薬価改定について、中間年度においても必要な薬価の見直しを行う」【毎年度薬価改定、中間年度改定】

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